2024.10.02
救急とは⑤〜ABCDの話
だいぶ朝晩とすずしくなり、雨の日が多くなって来て、秋に入り始めたのかな…と思う日が増えました。急激な温度差に体がついて行けず体調を崩しやすくなる時期です。手洗いうがい、衣服での体温調整、食事での免疫力アップ、運動等で体力アップなどなど色々と自分で出来る範囲で行ってこの時期を乗り越えていけたらいいですね。
今回は救急の話。5回目、ABCDについてです。
英語の話、ではありません。
救急では一番大切な事です。
もし、あなたの大切な家族や友人が急に倒れたら。
街で倒れている人を見かけたら。
まず、このABCDを確認してほしいというお話です。
まず想定として、「街を歩いていたら前を歩く人が急に蹲り倒れ込んでしまった」という場面を思い浮かべて下さい。周りには自分以外に数名の人。皆何があったのかと心配そうに見ています。そこで、あなたはどうしますか?という場面です。
その時はこんな風にしてください。
①周囲の安全を確認してください。
路上などでは車や自転車などが往来し二次災害、事故を起こす事があります。
もし、交通の妨げになるような場所であれば、周囲に協力を得て安全な場所に倒れている人を移動させましょう。
②意識の状態を確認しましょう。
ここでABCDのうち、Dの登場です。
意識があるかないかを確認します。
まず「大丈夫ですか?」と声をかける。
返事があれば意識あり。
声を掛けても返事が無いときは肩を叩きながら耳元で「大丈夫ですか?」と確認する。
そこで何らかの反応や返事があったら回復体位という左半身を下にして横にする姿勢に変えます。
(回復体位はどんな姿勢?)
回復体位は、横向きの体位で手や足の位置を調整する必要があります。姿勢の取らせ方を見てみましょう。
仰向けから、横向きに寝かせます。
上側にきた方の手を顎から顔の下に入れます。
※左を下にした場合、右手の甲に顔を乗せます。
下あごを軽く前に出して、気道を確保し、息をしやすくします。
後ろに倒れないよう、上側の足を前に出して、膝を90度曲げておきます。
※左を下にした場合なら、右足を曲げます。
ここまでする間に余裕があれば周囲の人を一人一人指名しお願いをします。
1.救急車を呼ぶ人
2.近くのお店等にAEDを取りに行く人
3.何時何分に何をしたか記録、記憶する人
ここで大切なのは、自分が主導になり役割分担を行ってしまう事です。
そうする事で周りに気付いて貰え、更に何かあった時には自分を守る言うなれば証言者になってもらえるからです。
ここまででDの意識の状態の確認は終了です。
救急車が来るまで、意識状態は変わる事が多くあります。意識状態が悪くなる人·良くなる人·変わらない人と大まかに言うとこの3パターンかと思いますが、救急車が来るまで何度か意識状態に変化が無いかなと確認して下さい。
ABCDを説明するにはもう少し時間がかかるので、今回のブログではここまでにして、次の機会でABCについて説明しようと思います。
もし、ご興味があり次の説明までに理解をしたいという方が居たら、「救命の輪」「心肺蘇生法」などを調べていただくと良いかもしれません。また、実際に回復体位のやり方を知りたいとか、AEDの使い方を勉強したいという方は、最寄りの消防署で無料で「応急手当指導講座」のような題名で教えてくれますので問い合わせてみても良いかも知れません。応急手当をする人を「バイスタンダー」と言います。急病などで倒れた方にバイスタンダーがいる·いないだと救命率、病気後の社会復帰までの期間等に大きな差が生じます。なので、沢山の人に学んで欲しいなと思い今回もこうしてブログに取り上げさせて頂きました。
それでは次回、ABCを学んで頂き救命を繋ぐ一員になってください!